蓄電池の購入を検討して「国の補助金」を調べると、情報が古いページが多く混乱しがちです。先に結論をまとめます(2026年6月11日時点)。
- 国の蓄電池補助金の本命だったDR家庭用蓄電池補助金(最大60万円)は、2026年5月29日に予算到達で受付終了。公式サイトに「公募の再開を行う予定はありません」と明記されています。
- 蓄電池に使える国の制度は他にもありますが、「蓄電池だけ買えば使える」ものはありません(断熱リフォームやZEH新築とのセットが前提)。
- いま現実的な選択肢は自治体(都道府県・市区町村)の補助金です。
国のDR補助金は受付終了(再開予定なし)
DR家庭用蓄電池補助金(事業名: 令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業)は、蓄電池を導入してDR(デマンドレスポンス=電力需給ひっ迫時の充放電協力)に参加する家庭向けの補助金でした。制度内容は次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助金基準額 | 1kWhあたり3.45万円(初期実効容量ベース。レジリエンス・広域認定の評価項目で最大3.75万円) |
| 補助率 | 設備費+工事費の3/10以内 |
| 上限額 | 60万円/申請 |
| 価格要件 | 蓄電システムの購入価格+工事費が12.5万円/kWh(税抜)以下であること |
| 申請方式 | 事前申請(交付決定前に売買契約・受発注・支払いをすると事由によらず対象外) |
公募は2026年3月24日に始まり、本来の期限(12月10日)を待たず約2ヶ月で予算に到達しました。過去にも令和5年度補正・令和6年度補正と補正予算ごとに同種の事業が実施されてきましたが、次の事業が組成されるかは現時点で未定です。新しい公募の有無はSII(環境共創イニシアチブ)の公式サイトで確認できます。
「DR補助金が使える」「今なら国から60万円」といった営業トークを受けたら、まず受付状況を疑ってください。終了済みの補助金を前提にした見積もりの注意点は蓄電池の訪問販売の手口と断り方で解説しています。
蓄電池に使える国のその他の制度(2026年6月11日時点)
DR補助金以外にも、蓄電池が補助対象に含まれる国の制度はあります。ただしいずれも住宅の断熱改修や新築とセットが条件です。
みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)— 蓄電池 96,000円/戸
住宅省エネ2026キャンペーン(国土交通省)の一事業で、リフォームの「エコ住宅設備の設置」として蓄電池に96,000円/戸が交付されます(SII登録製品が対象)。
- ただし蓄電池単体では申請できず、窓・躯体の断熱改修などの必須工事とセットで行う必要があります。
- 対象は2016年12月31日以前に新築された既存住宅のリフォーム。
- リフォームの交付申請は2026年6月末以降に開始予定(事業者登録は3月から開始済み)。
- 公式: みらいエコ住宅2026事業
ZEH支援事業(新築戸建)— 蓄電池加算 最大20万円
環境省予算の令和8年度ZEH支援事業では、新築戸建をZEH化する場合に基本補助(45〜90万円/戸)へ蓄電池加算を上乗せできます。
- 加算額は「初期実効容量1kWhあたり2万円」「蓄電システム補助対象経費の1/3」「20万円/戸」のいずれか低い額。
- SII登録ZEHビルダー/プランナーの関与が必須。受付中(単年度: 2026年5月21日〜12月11日・先着)。
- なお既存住宅向けのZEHリノベには蓄電池の補助単価がありません(対象外)。
- 公式: ZEH補助金(zehweb)
いま現実的なのは自治体補助金
蓄電池の購入そのものに使える補助は、現在は自治体(都道府県・市区町村)の制度が主役です。金額・条件は地域差が大きく、東京都の10万円/kWh(上限120万円)から、補助のない自治体までさまざまです。当サイトで地域ごとに調査した詳細ページ(確認日付き)はこちらです。
- 東京都(10万円/kWh・上限120万円)・神奈川県(15万円/台・太陽光同時が条件)
- 埼玉県(県10万円+市町村)・千葉県(主要市7万円)
- 京都府(自家消費型なら上限24万円)・大阪府(市町村ベース+共同購入)・北海道(札幌・苫小牧など市町村ベース)
- その他の地域は都道府県別の補助金一覧からどうぞ。
共通の落とし穴:「契約前の事前申請」
DR補助金では交付決定前に売買契約・受発注・支払いをすると、理由を問わず補助対象外というルールが公募要領に赤字で明記されていました。自治体補助金も「契約・着工前の事前申請」を条件とするものが多数派です(今回確認した北海道の主要5市はすべて事前申請でした)。
「契約してから補助金を探す」では手遅れになります。 見積もり比較の段階で、①使える補助金の受付状況 ②事前申請の要否 ③施工店が申請に対応できるか、の3点を必ず確認してください(見積書でチェックすべき7項目)。
まとめ:補助金なしでも成り立つかを先に確認
- 国のDR補助金(最大60万円)は2026年5月29日受付終了・再開予定なし。新規公募の有無はSII公式で確認を。
- 国のその他の制度(みらいエコ住宅96,000円/戸・ZEH加算最大20万円)はリフォーム・新築とセットが前提。
- いま使える可能性が高いのは自治体補助金。先着・抽選・事前申請の条件を契約前に確認。
補助金は「あればラッキー」が現在の前提です。まずは無料シミュレーターで補助金なしの回収年数を確認し、成り立つ条件を把握したうえで、使える補助金を上乗せしていく順番が、後悔のない検討の進め方です(蓄電池で後悔する人の5つの共通点)。
出典:DR補助金の制度内容(基準額3.45万円/kWh・補助率3/10・上限60万円・価格要件12.5万円/kWh・事前申請)は令和7年度補正 家庭用蓄電システム導入支援事業 公募要領(SII)、受付終了・再開予定なしはSII公式サイト(2026年6月11日確認)、みらいエコ住宅2026・ZEH支援事業は各事務局公式サイト(同日確認)に基づきます。補助金は予算・年度で変動するため、契約前に必ず最新の公式情報をご確認ください。